あたたかくてやわらかなもの
生まれて初めて、鳩のヒナを手にのせた。
お隣さんが畑の葡萄の木から枯れ枝を引っ張ったときに、
なにかのヒナが2羽、落ちてきたのだそう。
地面に横たわるその子たちをみると、
アリが寄ってきていた。
これはいかんとわたしの母性が危険信号発信、
すぐさま拾い上げてアリをつまみ取った。
きれいになったその子たち、気持ちよく眠りだした様子。
夫が脚立に乗って、巣を元あったと思われる位置に戻す。
まだ斜めじゃない?もっとここに載せたらどうかな?とやっていたら、
お隣さんは「親鳥が来て直すろう」と。
そうなのかな、これでいいのかな?
わからないけど、お隣さんの言うことを信用して、
落ちないでよ、と呼びかけながら2羽を巣に帰した。
家に戻り、また外に出たときには、
親鳥が来ていた。
山鳩だった。
よかったね、お母さん来たね、よかったよかった。
鳩を助けることができたのかなと思うと、
とてもうれしい。
元気に大きくなってほしい。