考えるマカロニ

atsu-atsuの脳内のシナプスのお遊戯を文章化したものです。

Tさんに会った

今日、県立美術館ホールでお芝居があって

知っている人が出ていたので観に行った。

 

久しぶりの舞台鑑賞は、2時間ゆったり座っていられたこと、

役者さんがみんな上手で世界に入り込めて鑑賞できたこと、

最後に涙したこと、などにより充実した時間となった。

 

夫が迎えに来てくれるまでの間、

ミュージアムショップで時間を潰すことにした。

友達に便りを書くための葉書を探して、

前に買ったのと同じものをもう一度買い求めようと

1枚取ってレジに向かった。

 

(あれ!)

レジにいたのは見たことのある男性。

前にバイトしていた本屋に別の支店から数ヶ月ヘルプに来ていた

社員の男性だった。

「Tさん」

と声をかけたら、Tさんもわたしが誰かわかってくれた。

聞くと “なんか疲れちゃって” 正社員を辞して、

今はアルバイトとしてゆるく勤務しているとか。

わたしがバイトしていた店舗は店長の性格により非常に殺伐としていたので、

物腰の柔らかいTさんと一緒に働く日は癒しだった。

だからTさんに再会できたことがとても嬉しかった。

 

「マスクを作ってくれたのが嬉しかった」

とTさんに言われて思い出したが、

その頃新型コロナウィルス感染症蔓延の影響でマスクが品薄になっており、

Tさんが手に入らないと困っていたので

マスクを手作りしてプレゼントしたのだった。

嬉しいと言ってもらえてまた嬉しかった。

 

人をしあわせにするのは気持ちなんだな。

ひとしきり話してから、「ずっとお元気で」と伝えて別れの挨拶とした。

Tさんも笑顔で何か言っていたが、マスクとアクリル板のせいで何を言ったかわからなかった。

だけど気持ちは伝わってきたから、聞き返さなかった。

 

いい出逢いだった。