考えるマカロニ

atsu-atsuの脳内のシナプスのお遊戯を文章化したものです。

反骨精神

 

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土曜日は子どもの参観日だった。

おとといになって初めてお弁当が要ることを知り

ちょっとあわてたけれど、無事お弁当を持たせることができた。

 

授業参観は道徳の授業だった。

テーマは「片付け」。

片付けについて話し合ったり、

実際に片付けをして感想を発表したりする内容だった。

 

教科書やノートを入れてあるファイルボックスを整理整頓して

その後でひとりずつ感想を発表していったのだが、

ひとりの女の子が、感想を聞かれたときにすぐに答えなかった。

他の子たちからは「気持ちよかった」「またやりたい」「楽しかった」

などの感想が出ていたのだが、その子は立ったまま何も言わなかった。

先生は「先に出たのと同じでもいいよ。どれが近い?」と聞いたが

彼女は体をよじったりしながら黙ったままで、どれも選ばなかった。

先生が「何も思わなかった?」と聞いたらやっと首を縦に振った。

そしてやっと解放された。

 

わたしは心の中で「あっぱれ!」と拍手した。

彼女は他の人にまとめられることを拒否した。

大勢の意見とひとからげにくくられることを避けた。

自分に正直であることを貫いた。

かっこよかった。

 

日本の教育に、わたしは疑いを持っている。

従順な人間に仕立てていく教育だ、と思っている。

まだ幼い、やわらかい脳と心に

「従うこと」「皆と同じにすること」を刷り込むものだと思っている。

そういう教育に飼い慣らされてしまわないように、家庭では、

学校で言われていることがすべて良いわけじゃないと伝えている。

 

女の子が着席した後で発表した男の子も、

なにもないと言った。

いいぞ!

子どもたちよ、自分を貫け!

 

わたしは教室の後ろから、したたかに目を光らせている。